マウスピース矯正のメリットとデメリット:透明な矯正装置を選ぶ前に知っておきたいこと

マウスピース矯正のメリットとデメリット:透明な矯正装置を選ぶ前に知っておきたいこと

はじめに

歯並びを整えたいけれど、金属のブラケットが目立つのは避けたいと考えている方は多いのではないでしょうか。近年、透明なマウスピースを使用した矯正治療が注目を集めています。マウスピース矯正は、見た目が目立たず、取り外しができるという大きな特徴があり、従来のワイヤー矯正とは異なる新しい選択肢として人気が高まっています。しかし、すべての症例に適しているわけではなく、メリットとデメリットの両面を理解した上で選択することが重要です。この記事では、マウスピース矯正の特徴を詳しく解説し、自分に合った矯正方法を選ぶための判断材料を提供します。

マウスピース矯正とは

マウスピース矯正は、透明なプラスチック製のマウスピース(アライナー)を装着して歯を動かす矯正治療法です。コンピューターで治療計画を立て、段階的に形状の異なる複数のマウスピースを作製します。患者は約1週間から2週間ごとに新しいマウスピースに交換していくことで、少しずつ歯を理想的な位置へと移動させます。

代表的なマウスピース矯正システムには、インビザラインをはじめ、様々なブランドがあります。それぞれに特徴がありますが、基本的な治療の仕組みは共通しています。

マウスピース矯正のメリット

目立ちにくい

マウスピース矯正の最大のメリットは、装着していてもほとんど目立たないことです。透明なプラスチック製のため、近くで見ても気づかれにくく、人前で話したり笑ったりする際にも自信を持って過ごせます。接客業や営業職など、人と接する機会が多い方にとって、この審美性の高さは大きな魅力です。また、矯正治療中であることを周囲に知られたくない方にも適しています。成人の矯正患者が増えている背景には、このような目立たない矯正装置の登場があります。

取り外しが可能

マウスピースは自分で取り外すことができるため、食事や歯磨きの際には外すことができます。ワイヤー矯正では食べ物が装置に絡まったり、歯磨きが困難だったりする問題がありますが、マウスピース矯正ではそのような心配がありません。普段通りに食事を楽しめ、口腔衛生も保ちやすいという点は、生活の質を維持する上で非常に重要です。特別な日やイベントの際に一時的に外すことも可能で、柔軟性の高い治療法と言えます。

痛みや違和感が少ない

ワイヤー矯正では、金属のブラケットやワイヤーが口腔内の粘膜に当たり、痛みや口内炎を引き起こすことがあります。マウスピース矯正は表面が滑らかで、そのような痛みが少ないのが特徴です。また、歯を動かす力も緩やかで段階的なため、調整後の痛みもワイヤー矯正に比べて軽減されています。ただし、新しいマウスピースに交換した直後は、多少の締め付け感や違和感を感じることがあります。これは歯が動いている証拠であり、通常数日で慣れてきます。

通院回数が少ない

ワイヤー矯正では、調整のために月に1回程度の通院が必要です。一方、マウスピース矯正では、複数のマウスピースをまとめて受け取り、自宅で交換していくため、通院は2ヶ月から3ヶ月に1回程度で済むことが多いです。忙しい方や遠方から通院している方にとって、通院回数が少ないことは大きなメリットとなります。

治療結果の予測がしやすい

コンピューターシミュレーションにより、治療開始前に最終的な歯並びのイメージを確認できます。どのように歯が動いていくのか、治療にどれくらいの期間がかかるのかを視覚的に把握できるため、安心して治療を受けることができます。また、治療の進行状況も予測と比較しながら確認できます。

金属アレルギーの心配がない

金属を使用しないため、金属アレルギーの方でも安心して治療を受けることができます。ワイヤー矯正で金属アレルギーの症状が出てしまう方にとって、マウスピース矯正は有効な代替手段となります。

マウスピース矯正のデメリット

適用できる症例に限界がある

マウスピース矯正は、すべての歯並びの問題に対応できるわけではありません。重度の出っ歯や受け口、複雑な歯の移動が必要なケース、抜歯を伴う大幅な歯の移動が必要な場合などは、ワイヤー矯正の方が適していることがあります。骨格的な問題が大きい場合や、歯を大きく回転させる必要がある場合も、マウスピース矯正では対応が難しいことがあります。治療を始める前に、自分の症例がマウスピース矯正に適しているかどうか、歯科医師にしっかりと診断してもらうことが重要です。

装着時間を守る自己管理が必要

マウスピース矯正の効果を得るためには、1日20時間から22時間の装着が必要です。食事と歯磨き以外の時間は基本的に装着していなければなりません。取り外しができる自由がある反面、装着を怠ると治療期間が延びたり、計画通りに歯が動かなかったりするリスクがあります。自己管理が苦手な方や、装着時間を確保できない生活スタイルの方には向かない可能性があります。特に子どもや若年者の場合、本人の協力度が治療の成否を大きく左右します。

治療期間が長くなる場合がある

症例によっては、ワイヤー矯正よりも治療期間が長くなることがあります。特に複雑なケースでは、マウスピースだけでは思うように歯が動かず、追加のマウスピースが必要になったり、一部ワイヤー矯正を併用したりすることもあります。また、装着時間が不十分な場合も、治療期間の延長につながります。

紛失や破損のリスク

マウスピースは取り外し式のため、紛失したり破損したりするリスクがあります。外食時にティッシュに包んで置いておき、そのまま捨ててしまうケースも少なくありません。また、熱に弱いため、熱湯消毒や熱い飲み物を飲む際には注意が必要です。紛失や破損した場合、新しいマウスピースの作製に時間と費用がかかることがあります。

発音に影響が出る場合がある

マウスピースを装着することで、特に治療初期には発音がしづらくなることがあります。特にサ行やタ行などの発音に影響が出やすく、慣れるまで時間がかかることがあります。ほとんどの場合、数日から数週間で慣れてきますが、仕事で頻繁に話す必要がある方は注意が必要です。

食後の歯磨きが必須

食事後は必ず歯磨きをしてからマウスピースを装着する必要があります。食べかすが歯に付いたままマウスピースを装着すると、細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。外出先での食事の際にも歯磨きが必要となるため、携帯用の歯ブラシを常に持ち歩く必要があります。

費用が高額になる場合がある

マウスピース矯正の費用は、症例の複雑さや使用するシステムによって異なりますが、一般的に30万円から100万円程度かかります。ワイヤー矯正と比較して高額になることもあります。また、矯正治療は基本的に保険適用外の自由診療となるため、全額自己負担となります。

マウスピース矯正が向いている人

マウスピース矯正が特に向いているのは、以下のような方です。軽度から中等度の歯並びの乱れがある方、矯正装置が目立つのを避けたい方、職業上の理由で目立たない矯正を希望する方、自己管理がしっかりできる方、金属アレルギーがある方などが挙げられます。また、過去に矯正治療をしたが後戻りしてしまった方の再治療にも適しています。

治療を成功させるためのポイント

マウスピース矯正を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。まず、装着時間を必ず守ることです。1日20時間以上の装着を継続しましょう。次に、定期的な通院を欠かさないことです。歯科医師による経過観察は治療の成否に関わります。また、マウスピースの清潔を保つことも重要です。毎日柔らかい歯ブラシで洗浄し、専用の洗浄剤を使用することで、清潔に保てます。

まとめ

マウスピース矯正は、目立ちにくく取り外しができるという大きなメリットがある一方で、適用できる症例に限界があり、自己管理が必要というデメリットもあります。治療を検討する際は、自分の歯並びの状態、生活スタイル、予算などを総合的に考慮し、歯科医師とよく相談することが大切です。複数の歯科医院でカウンセリングを受け、それぞれの治療方針や費用を比較検討することもおすすめします。適切な治療法を選択し、美しい歯並びを手に入れましょう。

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