口腔状態と健康について
みなさんこんにちは。ほほえみ歯科です。
最近、口の中が乾きやすくなった、滑舌が悪くなった。食べ物を飲み込みにくくなった…これらの症状を感じてはいませんか?
実は口腔状態と健康には深い関わりがあるのです。
「口腔機能の多様性」
口腔は、食べ物をとらえる捕食、咀嚼、唾液分泌、味覚、嚥下、構音機能など多様な機能を有し、口腔機能は「食べること」と「人と関わり」の二つの大きな役割を担い、人が社会生活を営む上では不可欠です。口腔機能は、歯の喪失だけでなく、義歯の不具合、唾液分泌低下、口唇や舌の不活動(廃用)などによって低下をきたしますので、口腔機能の持つ多様性を踏まえたアプローチが必要となります。
当研究所が毎年実施している「お達者健診」に参加した地域在住高齢者の方の口腔健康度を調査したところ、「歯の数」よりも「硬いものがかみにくい」、「お茶や汁物でむせる」、「口が渇く」といった口腔機能の低下が強く関与していることが分かりました。すなわち、口腔の健康を決めるのは単なる歯の数だけではなく、「口が口としての機能を十分に発揮している」ことだといえます。「口腔機能が低下する原因とは?」
口腔機能低下は、全身状態や生活にも大きく影響を与えることが、数々の疫学研究からも分かっています。では、口腔機能が低下する原因とは一体どのようなものがあるのでしょうか?
いちばんの原因は「加齢」です。年齢を重ねると、口の中の「感覚」や「咀嚼」「飲み込み」「唾液の分泌」などが徐々に低下してきます。そうしたひとつひとつが、口腔機能低下症の症状を起こしていきます。
もちろん、虫歯や歯周病などで歯を失ったり、具合が悪くなったり、義歯が合っていなかったり、といったことも症状の原因になっていきます。日ごろの歯みがきなどのケアが行き届かないと、口の中の環境が悪くなっていきます。
全身のさまざまな病気によっても口の中の機能は低下しやすくなります。
ただ口の中が乾きやすくなっただけとか、滑舌が悪くなっただけ、などと思っていませんか?
口の中の機能が低下することは、決して軽く見てはいけません。
口腔機能低下症が進行すると、全身的な健康が損なわれていきます。そのままにしておくと、なにより食べることが楽しくなくなり、外出も楽しくなくなって人との交流も少なくなり、いっそう外出しなくなってしまいがちになるのです。
歯が悪くなると、噛み応えのあるものが食べられなくなり、柔らかい炭水化物を多く摂る様になります。タンパク質を多く含む肉を食べなくなり、筋力が減り、体力も弱っていきます。筋肉が落ちると日常的な動作に支障をきたし、歩いたり、階段を上るのが辛くなり、外出もさらに減っていきます。
このように、お口が弱ってくることは、全身が弱ってくることに直結し、日常生活に支障をきたしてしまいかねないのです。口の中の機能低下があまりに進行してしまうと、もはや元に戻ることはできません。口腔機能低下症は自分が気が付かないうちに進行します。症状のある方は勿論ですが、症状のない方でも65歳を過ぎたら定期的な検査をして早め早めのケアをお薦めします。
気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談くださいね!