咬筋のコリと顔のむくみの関係
はじめに

朝起きたときに顔がパンパンにむくんでいる、夕方になると顔が大きく見える、エラが張ってきた気がするといった悩みを抱えている方は少なくありません。実は、これらの症状には「咬筋のコリ」が関係している可能性があります。咬筋とは、顎を動かすときに使う筋肉で、食いしばりや歯ぎしりによって過度に緊張すると、顔のむくみやエラの張り、さらには顔の輪郭の変化まで引き起こすことがあります。本記事では、咬筋とは何か、なぜコリが生じるのか、そして顔のむくみとの関係について詳しく解説します。咬筋のコリを解消することで、すっきりとした小顔を手に入れるヒントが見つかるかもしれません。
咬筋とは
咬筋は、頬骨から下顎の骨にかけて伸びている筋肉で、食べ物を噛むときに最も活発に働く咀嚼筋の一つです。手で頬の下の部分を触りながら歯を食いしばると、硬く盛り上がる部分が咬筋です。
咬筋は非常に強い力を発揮できる筋肉で、通常の咀嚼時には自分の体重に近い力を発揮することができます。そして、歯ぎしりや食いしばりをしているときには、さらに強い力がかかります。
健康な状態では、食事のときに適度に使われ、それ以外のときはリラックスしているのが理想的です。しかし、現代人の多くは、無意識のうちに咬筋を緊張させ続けていることが問題になっています。
咬筋は左右対称に存在し、バランスよく使われることで顔の左右のバランスも保たれます。しかし、片側だけで噛むクセがあったり、一方の咬筋だけが過度に発達したりすると、顔の歪みにもつながります。
咬筋がコリを起こす原因
咬筋がコリを起こす原因はいくつかあります。多くの場合、複数の要因が重なって症状が現れます。
歯ぎしり・食いしばり
最も多い原因が、睡眠中の歯ぎしりや日中の無意識な食いしばりです。ストレスや緊張によって、寝ているときに強く歯を食いしばったり、ギリギリと歯をすり合わせたりすることがあります。
日中も、仕事に集中しているとき、パソコンやスマートフォンを見ているとき、重いものを持つときなどに、無意識に歯を食いしばっている人が多くいます。通常、上下の歯は触れ合わないのが正常な状態ですが、常に接触している状態が続くと咬筋に過度な負担がかかります。
ストレス
精神的なストレスは、筋肉の緊張を引き起こします。特に咬筋は、ストレスの影響を受けやすい筋肉の一つです。不安や緊張を感じると、無意識に顎に力が入り、咬筋が常に緊張状態になってしまいます。
片側だけで噛むクセ
左右どちらか一方だけで食べ物を噛むクセがあると、使っている側の咬筋だけが発達し、過度に緊張します。これにより、顔の左右のバランスが崩れ、片側だけエラが張ったように見えることもあります。
不良姿勢
猫背や前かがみの姿勢、長時間のスマートフォンの使用などによる姿勢の悪化は、首や肩だけでなく顎周りの筋肉にも影響を及ぼします。特にスマートフォンを見るときの下向きの姿勢は、顎が前に出て咬筋に負担がかかりやすくなります。
硬いものをよく食べる
硬い食べ物を頻繁に食べることで、咬筋が発達しすぎることがあります。適度な咀嚼は健康に良いですが、過度に硬いものばかり食べると筋肉が疲労し、コリにつながります。
咬筋のコリが顔のむくみを引き起こすメカニズム
咬筋がコリを起こすと、なぜ顔がむくんでしまうのでしょうか。そのメカニズムを理解することが、改善への第一歩です。
血流の悪化
筋肉が緊張して硬くなると、周囲の血管が圧迫され、血液の流れが悪くなります。血流が滞ると、細胞に酸素や栄養が十分に届かず、老廃物も排出されにくくなります。これにより、顔に余分な水分や老廃物が溜まり、むくみとして現れます。
咬筋は顔の中でも大きな筋肉なので、ここの血流が悪くなると、顔全体の血行にも影響します。特に頬やフェイスラインのむくみは、咬筋のコリと密接に関係しています。
リンパの流れの停滞
リンパ液は、体内の老廃物を運ぶ重要な役割を持っています。咬筋が緊張すると、リンパ管も圧迫され、リンパの流れが悪くなります。リンパの流れが滞ると、顔に老廃物や余分な水分が溜まりやすくなり、むくみが生じます。
特に朝起きたときに顔がむくんでいるのは、睡眠中に咬筋を緊張させて歯ぎしりや食いしばりをしていた可能性があります。
筋肉の肥大
長期間にわたって咬筋を過度に使い続けると、筋肉そのものが肥大し、エラが張ったように見えることがあります。これは本来のむくみとは異なりますが、顔が大きく見える原因となります。
また、肥大した咬筋はさらにコリやすくなり、むくみも併発しやすくなるという悪循環に陥ります。
自律神経への影響
咬筋の緊張が続くと、自律神経のバランスが乱れることがあります。自律神経が乱れると、体液の調整機能が低下し、むくみやすくなります。また、ストレスによる咬筋の緊張と自律神経の乱れは相互に影響し合います。
咬筋のコリのセルフチェック
自分の咬筋がコリを起こしているかどうか、以下の方法でチェックしてみましょう。
頬の下の部分、奥歯のあたりを指で触ってみます。軽く圧をかけたときに痛みや硬さを感じる場合、咬筋がコリを起こしている可能性があります。左右を比較して、片側だけ硬い場合もあります。
また、以下のような症状がある場合も、咬筋のコリが疑われます。朝起きたときに顎が疲れている、頬が張っている、歯を食いしばっているクセがある、エラが張ってきた気がする、顔のむくみが気になる、頭痛や肩こりがある、顎が痛い、口を大きく開けにくいなどです。
咬筋のコリを解消する方法
咬筋のコリを解消し、顔のむくみを改善するための方法をご紹介します。
咬筋のマッサージ
咬筋を直接マッサージすることで、筋肉の緊張をほぐし、血流やリンパの流れを改善できます。
やり方は、人差し指から薬指の3本の指を使い、頬の下の奥歯のあたりに当てます。円を描くように優しくマッサージします。強く押しすぎないように注意しながら、30秒から1分程度行います。
入浴中や入浴後など、体が温まっているときに行うとより効果的です。毎日続けることで、徐々にコリがほぐれていきます。
温める
咬筋を温めることで血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎます。温かいタオルを頬に当てる、入浴時によく温まる、温湿布を使うなどの方法があります。
特に就寝前に温めることで、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりを軽減できることもあります。
ストレッチ
口を大きく開けたり、顎を左右に動かしたりするストレッチで、咬筋を伸ばすことができます。ただし、痛みがある場合や顎関節症の疑いがある場合は、無理に行わないでください。
ゆっくりと口を開け、5秒キープして閉じるという動作を数回繰り返します。顎を左右にゆっくり動かすストレッチも効果的です。
意識的にリラックスさせる
日中、気づいたときに歯が接触していないか確認する習慣をつけましょう。上下の歯は、通常は数ミリ離れているのが正常な状態です。食いしばっていることに気づいたら、意識的に力を抜きます。
デスクワークの際は、定期的に休憩を取り、顎の力を抜いてリラックスする時間を作りましょう。
生活習慣の改善
ストレス管理、十分な睡眠、バランスの良い食事など、生活習慣全般を見直すことも重要です。ストレスを上手に発散する方法を見つけ、リラックスできる時間を持つようにしましょう。
片側だけで噛むクセがある場合は、左右均等に噛むように意識します。姿勢にも気をつけ、特にスマートフォンを見るときは下を向きすぎないようにしましょう。
専門家による治療
セルフケアで改善しない場合や、痛みが強い場合は、歯科医院や口腔外科を受診することをおすすめします。歯ぎしりや食いしばりがある場合は、マウスピースを作製して就寝時に装着することで、咬筋への負担を軽減できます。
また、美容鍼やボトックス注射など、美容医療の選択肢もあります。これらは咬筋の緊張を和らげ、エラの張りを改善する効果が期待できます。
予防のために
咬筋のコリを予防するためには、日頃からの意識が大切です。
ストレスを溜め込まない、十分な睡眠を取る、バランスの良い食事を心がける、適度な運動をするなど、健康的な生活習慣を維持しましょう。
また、歯の定期検診を受けることも重要です。噛み合わせの問題が咬筋のコリの原因になっていることもあるため、歯科医師に相談することで根本的な解決につながることがあります。
まとめ
咬筋のコリは、歯ぎしりや食いしばり、ストレス、不良姿勢などによって引き起こされ、血流やリンパの流れを悪化させることで顔のむくみを引き起こします。マッサージ、温め、ストレッチなどのセルフケアで改善することができますが、症状が続く場合は専門家に相談しましょう。日頃から咬筋をリラックスさせることを意識し、健康的な生活習慣を心がけることで、すっきりとした小顔を保つことができます。
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