学校検診で「C」と言われた時の対応:虫歯通知後の正しい行動ガイド
はじめに

学校の歯科検診で「C」という判定を受けた通知を子どもが持ち帰ってきたとき、多くの親御さんは驚き、不安になります。「虫歯があるということ?」「すぐに歯医者に行かないといけないの?」「痛くないと言っているけど本当に治療が必要?」など、様々な疑問が浮かぶでしょう。学校検診は短時間で多くの子どもを診るため、詳しい説明を受けられないことがほとんどです。本記事では、学校検診の「C」判定の意味、その後の適切な対応、歯科医院での受診のポイント、そして予防のための注意点について詳しく解説します。
学校検診の「C」とは
学校の歯科検診では、アルファベットで歯の状態を記録します。「C」は「Caries(カリエス)」の略で、虫歯を意味します。
ただし、学校検診での「C」判定は、必ずしも治療が必要な虫歯があるという意味ではありません。学校検診は、歯科医院での精密検査とは異なり、限られた時間と環境で行われるスクリーニング検査です。
学校検診では、十分な照明がない、レントゲン撮影ができない、歯の表面を十分に乾燥させられないなど、詳しく診査するための条件が整っていません。そのため、虫歯の疑いがある、または初期虫歯がある状態でも「C」と判定されることがあります。
つまり、「C」判定は「歯科医院で詳しく診てもらってください」という意味合いが強いのです。実際に歯科医院を受診すると、治療が不要と診断されるケースも少なくありません。
他の判定記号も知っておくと理解が深まります。「O」は健全歯(問題なし)、「CO」は要観察歯(初期虫歯で経過観察が必要)、「C」は虫歯、「○」は処置済みの歯を示します。また、歯並びや噛み合わせの問題は別の記号で示されます。
すぐに受診すべきか
「C」判定を受けたら、できるだけ早く歯科医院を受診することが推奨されます。ただし、緊急性の度合いは状況によって異なります。
痛みがある場合や、明らかに穴が開いている場合は、できるだけ早く、1週間以内を目安に受診しましょう。虫歯が進行している可能性が高く、早期治療が必要です。
痛みがなく、見た目にも変化がわからない場合でも、1ヶ月以内には受診することをおすすめします。虫歯は初期段階では痛みがなく、自覚症状がないまま進行することがあります。
ただし、定期的に歯科医院に通っており、最近受診したばかりという場合は、次回の予約時に学校検診の結果を伝えて確認してもらえば十分なこともあります。かかりつけ医がいる場合は、電話で相談してみましょう。
夏休みや春休みなど、長期休暇前に検診結果をもらった場合は、休暇中に受診すると良いでしょう。治療が必要な場合、複数回通院が必要になることもあるため、時間に余裕がある時期が適しています。
歯科医院での受診のポイント
学校検診の結果を持って歯科医院を受診する際のポイントをご紹介します。
まず、学校から配布された検診結果の用紙を必ず持参しましょう。この用紙には、どの歯に問題があるかが記載されており、歯科医師が重点的にチェックする際の参考になります。
子どもに症状を確認しておくことも大切です。痛みがあるか、冷たいものや熱いものがしみるか、食べ物が詰まりやすい場所があるかなど、気になることをメモしておくと、診察がスムーズです。
初めて訪れる歯科医院の場合は、事前に予約をしましょう。「学校検診で虫歯を指摘された」と伝えると、適切な時間枠を確保してくれます。
かかりつけの歯科医院がある場合は、そこを受診することをおすすめします。これまでの治療歴や口腔内の状態を把握しているため、より適切な診断と治療が受けられます。
受診時には、親も一緒に診察室に入り、歯科医師の説明をしっかり聞きましょう。治療が必要な場合、どのような治療になるのか、通院回数はどれくらいか、費用はいくらかかるかなど、疑問点は遠慮せず質問しましょう。
虫歯ではない場合もある
学校検診で「C」と判定されても、歯科医院で詳しく診てもらった結果、治療が必要な虫歯ではないと診断されることがあります。
初期虫歯(CO)の場合があります。歯の表面が白く濁っているなど、虫歯の初期段階ではあるものの、まだ穴が開いていない状態です。この段階では、適切なブラッシングとフッ素塗布により、進行を止めたり、再石灰化により修復したりできる可能性があります。
着色や汚れを虫歯と見間違えることもあります。歯の溝が茶色くなっていても、実際には虫歯ではなく、色素沈着であることがあります。歯科医院で専門的なクリーニングを受けることで、きれいになります。
歯の形成不全や、エナメル質の一部が薄くなっている部分を虫歯と判定されることもあります。これらは虫歯ではありませんが、虫歯になりやすい部分なので、予防的なケアが必要です。
古い詰め物の変色や、詰め物の縁の段差を新しい虫歯と判定されることもあります。実際に診てもらえば、問題ないことがわかることもあります。
いずれの場合も、歯科医師の診断を受けることで、適切な対処法がわかります。
治療が必要な場合
歯科医院での診察の結果、実際に治療が必要な虫歯と診断されることもあります。
虫歯の進行度によって、治療内容は異なります。ごく初期の段階であれば、削らずにフッ素塗布や経過観察で済むこともあります。
小さな虫歯の場合、1回の治療で終わることが多いです。虫歯の部分を削り、レジン(プラスチック)を詰める処置を行います。麻酔が必要なこともありますが、短時間で終わります。
中程度の虫歯の場合、複数回の通院が必要になることがあります。虫歯を削った後、型を取って詰め物(インレー)を作り、後日装着します。
深い虫歯で神経まで達している場合は、根の治療(根管治療)が必要になります。神経を取り除き、根の中を清掃して薬を詰める処置で、数回の通院が必要です。
乳歯の虫歯の場合、永久歯への影響を考慮して治療方針を決めます。もうすぐ生え変わる歯であれば、経過観察にすることもありますが、永久歯に影響する可能性がある場合は、しっかり治療します。
治療が必要と診断された場合は、歯科医師の指示に従い、最後まで通院することが大切です。途中で治療を中断すると、虫歯が悪化し、より大きな治療が必要になることがあります。
治療を嫌がる子どもへの対応
子どもが歯科治療を怖がったり嫌がったりすることは珍しくありません。
まず、親が不安を見せないことが大切です。「痛くない?大丈夫?」という言葉は、逆に不安を煽ります。「歯をきれいにしてもらおうね」など、ポジティブな言葉をかけましょう。
嘘をつかないことも重要です。「何もしないよ」「痛くないよ」と嘘を言うと、実際に治療が始まったときに信頼を失います。「ちょっとだけ変な感じがするかもしれないけど、すぐ終わるよ」など、正直に伝えましょう。
小児歯科を専門にしている歯科医院を選ぶのも良い方法です。子どもの扱いに慣れており、恐怖心を和らげる工夫をしてくれます。
治療後は、頑張ったことをたくさん褒めましょう。ご褒美として、歯に優しいおもちゃや絵本などをあげるのも良いですが、甘いお菓子は避けましょう。
どうしても治療ができない場合は、歯科医師に相談してください。段階的に慣らしていく方法や、場合によっては鎮静法などの選択肢もあります。
予防のための日常ケア
虫歯の治療が終わったら、再発防止のための予防ケアが重要です。
毎日の歯磨きを丁寧に行いましょう。特に、虫歯になりやすい奥歯の溝、歯と歯の間、歯と歯茎の境目を意識して磨きます。小学生のうちは、親の仕上げ磨きも継続することが推奨されます。
フッ素入り歯磨き粉を使用することも効果的です。年齢に応じた適切な濃度とフッ素量の歯磨き粉を選びましょう。
食生活の見直しも大切です。甘いものを頻繁に食べたり、ジュースをダラダラ飲んだりする習慣は、虫歯のリスクを高めます。おやつの時間を決め、食べた後は歯を磨くか、少なくとも口をゆすぐ習慣をつけましょう。
定期的な歯科検診を受けることも重要です。3ヶ月から6ヶ月に一度、歯科医院で検診を受け、虫歯の早期発見と予防処置を受けましょう。
フッ素塗布やシーラント(奥歯の溝を埋める予防処置)などの予防処置も検討しましょう。歯科医師に相談し、子どもに適した予防方法を選びます。
学校への報告
歯科医院を受診した後は、学校への報告が必要な場合があります。
多くの学校では、受診結果を学校に報告する用紙が配布されます。この用紙に歯科医師に記入してもらい、学校に提出します。提出期限が設定されていることが多いので、確認しましょう。
報告用紙を持参することを忘れた場合は、次回の受診時に記入してもらうか、後日取りに行くこともできます。
学校への報告は、子どもの健康管理の一環として重要です。きちんと受診して治療を受けたことを学校に伝えることで、記録が完結します。
まとめ
学校検診で「C」判定を受けたら、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。「C」は虫歯の疑いを意味しますが、実際に治療が必要かどうかは、歯科医師の詳しい診察によって判断されます。
治療が必要な場合は、最後まで通院して治療を完了させることが大切です。治療後は、再発防止のための日常ケアと定期検診を続けましょう。
学校検診は、虫歯の早期発見の機会です。「C」判定を過度に心配する必要はありませんが、軽視せず、適切に対応することで、子どもの歯の健康を守ることができます。
治療内容をしっかりとご説明し、納得して頂くことで怖くない歯科医院を目指します!
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