寒い季節に多い歯のヒビ
はじめに

「噛むと一瞬だけ痛みが走る」「冷たいものがしみる」「歯に細い線が見える」こうした症状に心当たりはありませんか。それは、歯にヒビが入っている可能性があります。歯のヒビは、正式には「歯牙破折」や「クラック」と呼ばれ、エナメル質や象牙質に亀裂が入った状態です。実は、歯のヒビは寒い季節に増加する傾向があります。歯科医院の統計を見ても、冬季は歯のヒビや破折で受診する患者が他の季節に比べて多くなります。寒さによる歯の収縮、急激な温度変化、歯ぎしり・食いしばりの増加、冬特有の食生活など、複数の要因が重なり、歯にヒビが入りやすい環境が整ってしまうのです。歯のヒビは、初期段階では自覚症状が少なく、気づかないうちに進行していることが多いのですが、放置すると亀裂が深くなり、最終的には歯が割れたり、抜歯が必要になったりすることもあります。この記事では、寒い季節に歯のヒビが多い理由、症状、リスクが高い人の特徴、予防法と対処法について詳しく解説していきます。
歯のヒビとは
歯のヒビとは、歯の表面や内部に生じる亀裂のことです。程度により、以下のように分類されます。
クレイズライン
エナメル質の表面だけに生じる、非常に細かいひび割れです。多くの人に見られ、通常は痛みなどの症状はありません。
クラック
エナメル質を越えて、象牙質にまで達するひび割れです。冷たいものや甘いものがしみる、噛むと痛いなどの症状が現れます。
破折
歯が完全に割れた状態です。垂直に割れる「垂直破折」、横に割れる「水平破折」などがあります。
寒い季節に歯のヒビが多い理由
温度による収縮
冬の冷たい空気や飲み物により、歯が収縮します。歯はエナメル質、象牙質、歯髄という異なる材質で構成されており、それぞれ収縮率が異なります。
この収縮率の違いにより、各層の境界部分に応力が生じ、ヒビが入りやすくなります。
急激な温度変化
冬は、温かい部屋と寒い外を行き来する、熱い飲み物を飲んだ直後に冷たい空気を吸うなど、急激な温度変化にさらされる機会が増えます。
歯は温度により膨張・収縮を繰り返し、この繰り返しが歯に微細なストレスを与え、ヒビの原因となります。
歯ぎしり・食いしばりの増加
寒さやストレスにより、冬は歯ぎしりや食いしばりが増加します。強い力で歯をこすり合わせたり、噛みしめたりすることで、歯に過度な負担がかかり、ヒビが入りやすくなります。
硬い食べ物
お餅、ナッツ類、硬いせんべい、氷砂糖など、冬に食べる機会が増える硬い食べ物を噛む際に、歯に強い力がかかり、ヒビが入ることがあります。
乾燥
冬の乾燥により、口腔内も乾燥します。唾液が減少すると、歯の保護機能が低下し、歯が脆くなります。
既存の微細なヒビの進行
夏や秋に生じた微細なヒビが、冬の厳しい環境下で進行し、症状として表面化することがあります。
歯のヒビの症状
噛んだときの痛み
食べ物を噛んだときに、一瞬だけ鋭い痛みが走ります。噛む力を緩めると痛みが消えるのが特徴です。
冷たいものや熱いものがしみる
ヒビから象牙質が露出すると、冷たいものや熱いものがしみるようになります。
甘いものがしみる
甘いものを食べたときに、ズキッとした痛みを感じることがあります。
視認できる亀裂
歯の表面に細い線が見えることがあります。ただし、非常に細かいヒビは肉眼では見えないこともあります。
違和感
痛みはないけれど、何となく違和感がある、歯が浮いたような感じがするという症状もあります。
歯のヒビのリスクが高い人
歯ぎしり・食いしばりをする人
日常的に歯ぎしりや食いしばりをする人は、歯に過度な負担がかかっており、ヒビが入りやすくなります。
神経を取った歯がある人
神経を取った歯は血液供給がなくなり、脆くなります。ヒビが入りやすい状態です。
大きな詰め物・被せものがある人
大きな詰め物や被せものがあると、残っている歯質が少なく、構造的に弱くなっています。
加齢
加齢により、歯のエナメル質が薄くなったり、歯自体が脆くなったりします。
硬いものをよく噛む習慣がある人
氷を噛む、硬いナッツ類をよく食べる、ペンを噛むなどの習慣がある人は、リスクが高くなります。
酸性飲食物を頻繁に摂る人
柑橘類、炭酸飲料、酢などの酸性飲食物を頻繁に摂ると、エナメル質が侵食され、歯が脆くなります。
歯のヒビの診断
歯のヒビは、肉眼では見えにくいこともあります。歯科医院では、以下の方法で診断します。
視診
強い光を当てて、ヒビがないか確認します。
染色液
特殊な染色液を歯に塗布すると、ヒビの部分に色が染み込み、確認しやすくなります。
レントゲン
深いヒビや、歯の根の破折などは、レントゲンで確認します。
咬合検査
どの歯に負担がかかっているか、噛み合わせをチェックします。
歯のヒビの治療
ヒビの程度により、以下のような治療が行われます。
軽度(エナメル質のみ)
経過観察、あるいは知覚過敏用の薬剤塗布やコーティングを行います。
中度(象牙質まで)
詰め物(コンポジットレジンやインレー)や被せもの(クラウン)で歯を保護します。場合によっては、神経の治療が必要になることもあります。
重度(歯根まで)
垂直に歯根まで割れている場合、多くは抜歯が必要になります。抜歯後は、ブリッジ、入れ歯、インプラントなどで欠損部を補います。
寒い季節の歯のヒビを予防する方法
急激な温度変化を避ける
熱い飲み物を飲んだ直後に冷たいものを飲む、あるいはその逆を避けましょう。飲み物は適温にしてから飲むと良いでしょう。
硬い食べ物に注意
氷を噛まない、お餅や硬いナッツ類はゆっくり噛む、硬いものを前歯で噛まないなど、歯に過度な負担をかけないようにしましょう。
歯ぎしり・食いしばり対策
日中、無意識に歯を食いしばっていないか意識しましょう。就寝中の歯ぎしりがある場合は、歯科医院でナイトガードを作製してもらいましょう。
適切な口腔ケア
柔らかい歯ブラシで優しく磨き、エナメル質を傷つけないようにしましょう。
フッ素の活用
フッ素入りの歯磨き粉を使用することで、エナメル質を強化できます。
口腔内の保湿
こまめに水を飲み、加湿器を使用するなどして、口腔内の乾燥を防ぎましょう。
定期的な歯科検診
3〜6ヶ月に一度、歯科検診を受けましょう。微細なヒビの段階で発見し、早期に対処することで、悪化を防げます。
酸性飲食物の摂取方法
柑橘類や炭酸飲料を摂取した後は、水で口をゆすぎましょう。また、摂取後すぐに歯を磨くと、柔らかくなったエナメル質を傷つけるため、30分ほど待ってから磨きます。
歯のヒビに気づいたらすぐに受診
歯のヒビを放置すると、以下のようなリスクがあります。
- ヒビが深くなり、神経に達する
- 歯が完全に割れる
- ヒビから細菌が侵入し、虫歯や歯周病になる
- 抜歯が必要になる
歯のヒビの症状に気づいたら、自覚症状が軽くても、早めに歯科医院を受診しましょう。
まとめ
寒い季節は、温度による収縮、急激な温度変化、歯ぎしり・食いしばりの増加、硬い食べ物、乾燥などにより、歯にヒビが入りやすい環境が整っています。
歯のヒビの症状には、噛んだときの痛み、冷たいものや熱いものがしみる、甘いものがしみる、視認できる亀裂、違和感などがあります。
歯のヒビのリスクが高い人には、歯ぎしり・食いしばりをする人、神経を取った歯がある人、大きな詰め物・被せものがある人、高齢者、硬いものをよく噛む習慣がある人、酸性飲食物を頻繁に摂る人などが挙げられます。
予防には、急激な温度変化を避ける、硬い食べ物に注意する、歯ぎしり・食いしばり対策、適切な口腔ケア、フッ素の活用、口腔内の保湿、定期的な歯科検診、酸性飲食物の摂取方法の工夫が効果的です。
歯のヒビに気づいたら、放置せず早めに歯科医院を受診しましょう。寒い季節も、適切なケアにより歯を守り、健康な状態を維持しましょう。
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