歯周病菌の正体とは?

こんにちは! ほほえみ歯科です!!

歯周病は、日本において成人の80%以上が罹患しているといわれる、非常に一般的な口腔内の病気です。歯周病は、進行すると歯を支える歯茎や歯槽骨が破壊され、最終的には歯が抜け落ちる原因となります。この病気の原因となるのが、いわゆる「歯周病菌」です。しかし、歯周病菌とはどのようなものなのでしょうか?どのようにして歯周病が引き起こされ、全身に影響を与えるのかを理解することは、歯周病の予防と治療において重要な鍵となります。

本稿では、歯周病菌の正体、歯周病が進行するメカニズム、歯周病菌が引き起こす全身への影響、そして歯周病菌を抑えるための具体的な対策について詳しく解説します。

1. 歯周病菌とは?

歯周病菌とは、歯周病を引き起こす原因となる細菌の総称です。口腔内には数百種類の細菌が存在しており、その多くは無害であるか、むしろ口腔内の健康を保つ役割を果たしています。しかし、歯周病菌はその中でも有害な細菌であり、歯と歯茎の境目に付着したプラーク(歯垢)に潜み、歯茎や骨を破壊する毒素を放出します。

1.1 歯周病菌の代表例

歯周病菌にはいくつかの種類があり、特に以下の菌が歯周病の発症と進行に深く関わっています。

  • ポルフィロモナス・ジンジバリス(P. gingivalis)
    この菌は歯周病の進行を加速させる主要な細菌として知られています。P. gingivalisは、歯茎の炎症を引き起こし、免疫システムを混乱させることで歯周病を悪化させます。この菌は、歯周ポケットの奥深くに潜むため、通常のブラッシングでは除去が難しいです。
  • トレポネーマ・デンティコラ(T. denticola)
    T. denticolaはスピロヘータという形をした細菌で、運動性が高く、歯茎の深部に侵入しやすい特徴があります。この菌も歯周組織を破壊し、歯周病の進行を助長します。
  • タンネレラ・フォーサイシア(T. forsythia)
    この細菌も歯周ポケットに存在し、他の歯周病菌とともに歯茎や骨を破壊します。

これらの菌は、複数が集まることでバイオフィルムという保護膜を形成し、外部からの攻撃に対して耐性を持つため、治療が困難になることがあります。

1.2 歯周病菌の発生と増殖のメカニズム

歯周病菌は、口腔内の不衛生な状態を好んで増殖します。特に、歯垢や歯石がたまった状態は歯周病菌にとって理想的な環境です。歯周病菌は酸素の少ない環境を好むため、歯と歯茎の間にある歯周ポケットが深くなることで、さらに増殖しやすくなります。

また、口腔内のpHが酸性に傾くことも、歯周病菌の増殖を助ける要因です。甘いものや炭酸飲料の過剰摂取、そして口腔ケアの不足によって歯垢が溜まり、菌の繁殖を助長します。

2. 歯周病の進行メカニズム

歯周病は、初期の段階では「歯肉炎」と呼ばれる軽度の炎症から始まります。この段階では、歯茎が赤く腫れ、ブラッシング時に出血する程度ですが、治療せずに放置すると歯周炎へと進行し、最終的には歯を失うことになります。

2.1 歯肉炎の段階

歯周病菌が歯茎の周辺に集まり、炎症を引き起こすと、歯肉炎が発生します。この段階では、歯茎の腫れや出血が見られますが、痛みを感じることはほとんどありません。そのため、多くの人が歯肉炎の段階で気づかず、治療を後回しにしがちです。

2.2 歯周炎の段階

歯肉炎が進行し、歯周ポケットが深くなると、歯周炎へと進展します。この段階では、歯茎だけでなく、歯を支える骨(歯槽骨)も破壊され始めます。歯周ポケットに溜まった歯垢や歯石は、さらに多くの歯周病菌を抱えるため、歯周病の進行が加速します。

歯周炎が進行すると、歯がぐらつき、最終的には歯が抜け落ちることもあります。また、歯茎が下がり、歯の根が露出することで、知覚過敏が起こりやすくなることもあります。

3. 歯周病が全身に与える影響

歯周病菌は、口腔内にとどまるだけでなく、血液を介して全身に影響を及ぼすことが知られています。最近の研究では、歯周病が全身のさまざまな疾患と関連していることが明らかになってきています。

3.1 心血管疾患との関連

歯周病菌が血液中に入り込むと、全身に広がり、心臓や血管に影響を与えることがあります。特に、歯周病が進行すると動脈硬化が促進され、心臓病や脳卒中のリスクが高まることが確認されています。歯周病菌によって引き起こされる炎症が、血管内壁にダメージを与え、動脈の硬化を促進するというメカニズムが示唆されています。

3.2 糖尿病との関連

糖尿病患者は、免疫力が低下しているため、歯周病菌の影響を受けやすいとされています。さらに、歯周病菌が体内の炎症反応を引き起こすことで、血糖値のコントロールが難しくなり、糖尿病の症状が悪化することがあります。歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を与える関係にあり、どちらか一方を改善することがもう一方の病状を緩和するという研究結果もあります。

3.3 認知症との関連

最近の研究では、歯周病菌が認知症やアルツハイマー病とも関連している可能性が指摘されています。歯周病菌が脳内に侵入し、神経細胞を攻撃することで、認知機能が低下するというメカニズムが示されています。特に、P. gingivalisがアルツハイマー病患者の脳内で発見されたことから、この菌が認知症の進行に関与している可能性が高まっています。

4. 歯周病菌を抑えるための対策

歯周病菌の増殖を抑えるためには、日常的な口腔ケアと定期的な歯科受診が重要です。以下に、具体的な対策を紹介します。

4.1 正しいブラッシング

歯周病菌の増殖を防ぐためには、正しいブラッシングが不可欠です。特に、歯と歯茎の境目を丁寧に磨くことが重要であり、「バス法」と呼ばれる歯ブラシを45度の角度で当てて小さな円を描くように磨く方法が効果的です。

4.2 デンタルフロスや歯間ブラシの使用

歯ブラシだけでは、歯と歯の間に残った汚れを完全に取り除くことはできません。デンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯間のプラークを除去することが歯周病予防には重要です。

4.3 定期的な歯科受診

定期的に歯科を受診し、プロフェッショナルなクリーニングを受けることも重要です。歯石は家庭でのケアでは取り除くことが難しいため、歯科でのクリーニングが効果的です。

まとめ

歯周病菌は、単なる口腔内の問題にとどまらず、全身に影響を及ぼすことが明らかになっています。歯周病の予防と治療には、日常的な口腔ケアと定期的な歯科受診が不可欠です。特に、糖尿病や心血管疾患、認知症との関連が指摘されていることから、歯周病を放置せず、早期に対処することが重要です。正しいブラッシング方法やデンタルフロスの使用、そして定期的な歯科検診を取り入れることで、歯周病菌の増殖を防ぎ、健康な口腔環境を保ちましょう。

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