治療中に手を挙げても大丈夫?

治療中に手を挙げても大丈夫?

歯科治療を受けているとき、痛みや苦しさを感じても「我慢しなければ」と思っていませんか。治療中に手を挙げて合図をすることを躊躇してしまう方は少なくありません。しかし、実は治療中に手を挙げることは、患者さんの権利であり、むしろ積極的に活用すべきコミュニケーション手段なのです。ここでは、なぜ治療中に手を挙げることが大切なのか、どんなときに合図をすべきか、そして歯科医師側の本音について詳しく解説します。安心して治療を受けるために、遠慮なく意思を伝えることの重要性を理解しましょう。

手を挙げることは患者さんの権利

まず最初に知っておいていただきたいのは、治療中に手を挙げることは患者さんの当然の権利であり、歯科医師もそれを理解しているということです。歯科治療は口の中という繊細な部位に行われるため、患者さんが不快感や痛みを感じることは珍しくありません。

多くの歯科医院では、治療開始前に「苦しいときや痛いときは、手を挙げて知らせてください」と説明があるはずです。これは単なる形式的な案内ではなく、本当に遠慮なく合図をしてほしいという意味なのです。

患者さんの中には「治療を中断させて申し訳ない」「我慢すべきだ」と考える方もいますが、そのような遠慮は必要ありません。痛みや不快感を我慢し続けることは、患者さん自身にとってストレスであるだけでなく、治療の質にも悪影響を及ぼす可能性があります。

手を挙げるべき状況

では、具体的にどのような状況で手を挙げるべきなのでしょうか。遠慮せず合図をしてほしい場面をいくつかご紹介します。

最も分かりやすいのは、痛みを感じたときです。麻酔が効いていないのに治療が始まってしまった、麻酔が切れかけている、麻酔が効きにくい部位で痛みがあるなど、痛みを感じたらすぐに合図をしましょう。我慢して顔をしかめたり体を緊張させたりするよりも、はっきりと伝えることで、追加の麻酔をしてもらえたり、治療方法を調整してもらえたりします。

苦しさを感じたときも重要な合図のタイミングです。口を長時間開けていると顎が疲れてくる、唾液が溜まって息苦しい、鼻が詰まっていて呼吸が苦しい、バキュームの位置が気になるなど、様々な不快感があります。これらを我慢していると、パニックになったり、吐き気を催したりすることもあります。

不安や恐怖を感じたときも、遠慮なく伝えてください。「何をされているのか分からなくて怖い」「器具の音が怖い」「どのくらい続くのか不安」など、精神的な不快感も無視すべきではありません。歯科医師は患者さんの心理状態にも配慮しながら治療を進めたいと考えています。

また、トイレに行きたい、咳やくしゃみが出そう、体勢がつらいなど、身体的な要求があるときも合図をしましょう。無理をして我慢すると、治療中に突然動いてしまい、かえって危険な場合もあります。

効果的な合図の方法

手を挙げることが基本的な合図方法ですが、より効果的にコミュニケーションを取るためのポイントがあります。

まず、治療開始前に歯科医師やスタッフと合図の方法を確認しておきましょう。多くの場合、左手を挙げることが一般的です。これは、右手は診療台の操作パネルやうがい用のコップがある側なので、左手の方が見えやすいからです。ただし、医院によって多少異なる場合もあるので、確認しておくと安心です。

手を挙げるときは、小さく動かすよりもはっきりと挙げる方が気づいてもらいやすいです。歯科医師は治療に集中しているため、わずかな動きでは気づかないこともあります。遠慮せず、しっかりと手を挙げましょう。

また、緊急度によって合図の仕方を変えることも有効です。軽い違和感程度であれば手を少し上げる程度でも良いですが、強い痛みや呼吸困難などの緊急時は、手を大きく振ったり、両手を挙げたりして、緊急性を伝えましょう。

歯科医師側の本音

「手を挙げると迷惑がられるのでは」と心配する方もいますが、実際の歯科医師の本音はどうなのでしょうか。多くの歯科医師にとって、患者さんが手を挙げて意思を伝えてくれることは、むしろ歓迎すべきことなのです。

患者さんが痛みや不快感を我慢していると、表情が硬くなったり、体が緊張したりします。歯科医師はそのような変化に気づくこともありますが、確信が持てないこともあります。手を挙げてはっきりと伝えてもらえれば、適切な対応ができます。

また、患者さんがリラックスして治療を受けられることは、治療の質を高めることにもつながります。緊張していると唾液の分泌が増えたり、口を開けにくくなったりして、かえって治療時間が長くなることもあります。快適に治療を受けてもらうことは、歯科医師にとっても重要なのです。

ただし、あまりにも頻繁に中断を求められると、治療の進行に支障が出る場合もあります。本当に必要なタイミングで合図をすることが大切です。小さな違和感であれば、少し我慢してもらえると助かる場合もありますが、強い痛みや苦しさは遠慮なく伝えてください。

子どもの場合の注意点

子どもの歯科治療では、手を挙げることの意味を事前に教えておくことが重要です。小さな子どもは、不快感をうまく言葉で表現できないため、手を挙げるという簡単な方法で意思を伝えられることは大きな助けになります。

保護者の方は、歯科医院に行く前に「痛かったり苦しかったりしたら、手を挙げて先生に教えようね」と伝えておきましょう。また、診療室に入る前に、歯科医師やスタッフにも「人見知りをする」「怖がりやすい」など、子どもの性格を伝えておくと、より配慮した対応をしてもらえます。

一方で、子どもが治療の緊張から、特に問題がなくても手を挙げ続けることもあります。この場合は、歯科医師が優しく確認しながら進めてくれます。叱ったりせず、温かく見守ることが大切です。

手を挙げにくい人のための代替案

どうしても手を挙げることに抵抗がある方や、身体的な理由で手を挙げにくい方もいるでしょう。そのような場合は、治療前に歯科医師に相談してみてください。代替のコミュニケーション方法を提案してもらえます。

例えば、足を動かす、目を大きく開けるなど、別の合図方法を決めておくこともできます。また、定期的に歯科医師から「大丈夫ですか?」と声をかけてもらうようお願いすることもできます。

筆談用のホワイトボードやメモ用紙を用意してもらえる医院もあります。治療を一時中断して、文字で伝えることも可能です。

治療前のコミュニケーションの重要性

手を挙げる必要性を減らすためには、治療前の十分なコミュニケーションも大切です。治療内容や流れ、予想される痛みや不快感について事前に説明を受けることで、心の準備ができます。

また、自分の不安や要望を事前に伝えておくことも効果的です。「痛みに弱い」「嘔吐反射が強い」「パニックになりやすい」など、自分の特性を伝えておけば、歯科医師はそれに配慮した治療を行ってくれます。

治療計画についても、疑問点があれば遠慮なく質問しましょう。「どのくらい時間がかかるのか」「痛みはあるのか」「途中で休憩できるのか」など、気になることはすべて確認しておくことで、安心して治療を受けられます。

信頼関係を築く

手を挙げることに躊躇してしまう背景には、歯科医師との信頼関係が十分に築けていないこともあります。自分に合った歯科医院を見つけ、継続して通うことで、コミュニケーションも取りやすくなります。

初診時のカウンセリングで丁寧に話を聞いてくれる、質問に分かりやすく答えてくれる、治療中も声かけをしてくれるなど、患者さん目線の対応をしてくれる歯科医院を選びましょう。

信頼できる歯科医師との関係が築ければ、手を挙げることへの抵抗も減り、より快適に治療を受けられるようになります。

まとめ

治療中に手を挙げることは、決して迷惑な行為ではありません。むしろ、患者さんが安心して治療を受けるための重要なコミュニケーション手段です。痛みや苦しさを感じたら、遠慮せず手を挙げて意思を伝えましょう。それは患者さん自身のためだけでなく、より質の高い治療を実現するためにも必要なことなのです。歯科医師とのオープンなコミュニケーションを心がけ、安心して治療を受けられる環境を一緒に作っていきましょう。

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