矯正治療中の歯磨きテクニック

矯正治療中の歯磨きテクニック

はじめに

矯正治療を始めると、歯磨きが今までよりも難しくなったと感じる方は多いのではないでしょうか。ブラケットやワイヤーなどの装置が歯に付いていると、食べかすが詰まりやすく、磨き残しも増えてしまいます。しかし、矯正治療中こそ、口腔内を清潔に保つことが非常に重要です。装置の周りに汚れが溜まると、虫歯や歯周病、口臭の原因となり、せっかくの矯正治療が台無しになってしまう可能性もあります。この記事では、矯正治療中の効果的な歯磨きテクニックと、必要なケアグッズについて詳しく解説していきます。

矯正治療中に歯磨きが重要な理由

矯正装置が付いていると、歯と装置の隙間や、ブラケットの周り、ワイヤーの下など、汚れが溜まりやすい場所が格段に増えます。食べかすや歯垢が残ったままになると、そこで細菌が繁殖し、虫歯や歯肉炎を引き起こします。

特に注意が必要なのは、ブラケットの周囲です。ブラケットと歯の境目に虫歯ができてしまうと、矯正治療中は十分な治療ができないこともあります。最悪の場合、矯正治療を中断して虫歯の治療を優先しなければならないこともあるのです。

また、歯肉の炎症も見逃せません。歯茎が腫れたり出血したりすると、歯の動きが悪くなり、治療期間が延びてしまう可能性があります。美しい歯並びを手に入れるためにも、矯正治療中の丁寧な歯磨きは欠かせません。

基本的な歯磨きの手順

矯正治療中の歯磨きは、通常よりも時間をかけて丁寧に行う必要があります。理想的には、一回の歯磨きに10分から15分程度かけることをおすすめします。

磨く順番を決める

毎回同じ順番で磨くことで、磨き残しを防ぐことができます。例えば、上の歯の右奥から前歯を通って左奥まで、次に下の歯を同様に磨くというように、自分なりのルートを決めましょう。装置の上側、歯と装置の境目、装置の下側、歯の裏側という順番で、それぞれの部位を意識して磨くことが大切です。

歯ブラシの当て方

歯ブラシは45度の角度で歯と歯茎の境目に当て、小刻みに動かします。力を入れすぎず、優しく磨くことがポイントです。ブラケットの上部は歯ブラシを斜め上から、下部は斜め下から当てて、ブラケットと歯の境目を丁寧に磨きます。

ワイヤーの下も忘れずに磨きましょう。歯ブラシを縦に持って、一本ずつ磨くようなイメージで行うと効果的です。

磨きにくい部分への対処

装置が邪魔で磨きにくい部分は、角度を変えたり、歯ブラシの先端部分を使ったりして工夫しましょう。鏡を見ながら、汚れが落ちているか確認することも重要です。

矯正治療中に必要なケアグッズ

通常の歯ブラシだけでは、矯正装置の周りをすべて磨くことは困難です。いくつかの専用グッズを併用することで、より効果的な口腔ケアが可能になります。

矯正用歯ブラシ

矯正用歯ブラシは、中央部分の毛が短く、両端が長くなっているのが特徴です。この形状により、ブラケットの上下と歯の表面を同時に磨くことができます。通常の歯ブラシと併用することで、より効率的に汚れを落とすことができます。

タフトブラシ

タフトブラシは、毛束が小さく、ヘッドが尖った形をしている歯ブラシです。ブラケットの周りやワイヤーの下など、通常の歯ブラシでは届きにくい細かい部分を磨くのに最適です。一本ずつ丁寧に磨くことができるため、矯正治療中には必須のアイテムといえます。

特に、ブラケットと歯の境目、歯と歯の間、奥歯の後ろ側など、汚れが溜まりやすい部分に使用すると効果的です。

歯間ブラシ

歯間ブラシは、歯と歯の間の汚れを除去するためのアイテムです。矯正治療中は、ワイヤーがあるため通常のデンタルフロスが使いにくくなります。そのため、歯間ブラシが重要な役割を果たします。

サイズは複数あるので、自分の歯間の広さに合ったものを選びましょう。無理に太いものを使うと、歯茎を傷つけてしまう可能性があるため注意が必要です。

フロススレッダー

デンタルフロスを使いたい場合は、フロススレッダーという道具が便利です。これは糸通しのような形をしており、ワイヤーの下にフロスを通すことができます。少し手間はかかりますが、歯間の汚れをしっかり除去できます。

ウォーターフロス(口腔洗浄器)

ウォーターフロスは、水流の力で汚れを洗い流す器具です。ブラケットやワイヤーの周りの食べかすを効果的に除去でき、歯ブラシだけでは届きにくい部分のケアに役立ちます。ただし、これだけで完璧に汚れを落とせるわけではないので、歯ブラシと併用することが重要です。

マウスウォッシュ

仕上げとして、フッ素入りのマウスウォッシュを使用することもおすすめです。殺菌効果により口腔内を清潔に保ち、虫歯や歯肉炎の予防に効果があります。ただし、マウスウォッシュだけに頼るのではなく、必ず歯磨きをしっかり行った上で使用しましょう。

食事後のケア

矯正治療中は、食事のたびに歯磨きをすることが理想的です。特に、粘着性のある食べ物や繊維質の野菜などは、装置に絡まりやすいため注意が必要です。

外出先で歯磨きが難しい場合は、最低でも口をよくすすぐだけでも効果があります。携帯用の歯磨きセットを持ち歩くことをおすすめします。タフトブラシや歯間ブラシも小型のものを持参すると便利です。

また、水やお茶を飲むことで、口の中の食べかすを流す効果も期待できます。食後すぐに歯磨きができない場合は、まず水で口をすすぐだけでも行いましょう。

避けるべき食べ物

矯正治療中は、装置を傷めたり、汚れが溜まりやすい食べ物は避けた方が良いでしょう。硬い食べ物はブラケットが外れる原因になります。キャラメルやガムなどの粘着性の高いものは、装置に絡みついて取れにくくなります。

色の濃い食べ物や飲み物は、ゴムやブラケットを着色させる可能性があります。特に透明なブラケットを使用している場合は注意が必要です。

定期的なチェックの重要性

どんなに丁寧に歯磨きをしていても、自分では気づかない磨き残しがあるものです。矯正治療中は、通常よりも頻繁に歯科医院でのクリーニングを受けることをおすすめします。

歯科衛生士による専門的なクリーニングで、自分では落とせない汚れを除去してもらいましょう。また、磨き残しがある部分を指摘してもらうことで、日々の歯磨きの改善にもつながります。

矯正治療中の口臭対策

装置に食べかすが詰まりやすい矯正治療中は、口臭が気になる方も少なくありません。こまめな歯磨きと、タフトブラシやウォーターフロスを使った丁寧なケアが、口臭予防の基本です。

舌の表面に付着した舌苔も口臭の原因になるため、舌ブラシで優しく清掃することも効果的です。また、唾液の分泌を促すためによく水分を取り、ガムを噛むことも口臭予防に役立ちます。ただし、ガムは矯正治療中は避けるべき食品ですので、キシリトールタブレットなどで代用するとよいでしょう。

まとめ

矯正治療中の歯磨きは、時間と手間がかかりますが、美しい歯並びを手に入れるためには欠かせないプロセスです。通常の歯ブラシに加えて、矯正用歯ブラシ、タフトブラシ、歯間ブラシなど、複数のケアグッズを併用することで、装置の周りもしっかり清潔に保つことができます。

一回の歯磨きに10分から15分程度かけて、丁寧に磨く習慣をつけましょう。最初は大変に感じるかもしれませんが、慣れてくればスムーズにできるようになります。定期的な歯科医院でのクリーニングも忘れずに受けて、虫歯や歯周病のない健康な口腔環境を維持しながら、理想の歯並びを目指しましょう。

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ほほえみ歯科、是非、ご来院ください。

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