高血圧と歯の治療
こんにちは。
歯科治療において、
局所麻酔や抜歯・歯周外科手術などの観血的処置、治療を受ける際の過度の緊張などが、
糖尿病や高血圧症などの全身疾患をお持ちの方の全身状態に影響を及ぼす場合があります。
問診票には正確に不足なく記載をお願い致します。
現在通院中の方も、全身状態や服薬状況の変化、医科で最近加療中である旨など、
必ず歯科医師に報告するようにお願い致します。
今回は、歯の治療と高血圧がどのように関係しているのかをお話しします。
「高血圧症とは」
私たちのからだのなかでは、心臓から全身へと血液が送り出されています。
そして血液の通路となっている管が血管です。
このとき血管の壁には流れてきた血液により圧力がかかります。これを血圧と言います。
ホース内を勢いよく水が流れるように、血管にかかる血液の圧力が大きくなっていきます。
このように血管にかかる圧力が大きい状態を高血圧といいます。
血管にかかる圧力が大きい状態、いわゆる高血圧をそのままにしておくと、
脳や心臓への負担となってしまいます。
高血圧症は脳卒中を起こし、最悪の場合死に至ります。
高血圧症の患者さんは約4300万人いるといわれていおり、
高血圧症を起因とする脳卒中や心疾患により1年で10万人が死亡していると推測されています。
「高血圧と歯科治療の関係性は?」
では、歯科治療と高血圧はどう関係があるのでしょうか?
皆様は「白衣性高血圧」という言葉をご存知でしょうか。
家で血圧を計ると高くないのに、病院で血圧を計ると高くなる、
そんな経験をされたことはありませんか?
血圧は緊張したりストレスを感じたり、痛みを感じたりすると高くなります。
これを「白衣性高血圧」といいます。白衣性高血圧は普段血圧が高くない方でも起こります。
歯医者では椅子に横たわったときや、麻酔の注射のとき、抜歯のときなど
緊張やストレス、痛みを感じることが多いので歯医者では特に血圧は上がりやすいのです。
血圧が高くなりすぎると、血管への圧力が上がり、
パンパンになった血管が破れて脳出血(高血圧脳症)を起こしてしまうことがあるのです。
こうなると救急搬送が必要になります。
そのようなことを防ぐために、高血圧症をお持ちの方は必ず問診票にご記入していただくか、
直接歯科医師にお伝えください。
その際、お薬手帳も忘れずにお持ちくださいね。
安全に歯科治療を受けていただくためにご協力をよろしくお願いいたします。
これらの他にも注意が必要な全身疾患はまだまだあります。
必要であれば主治医と連携し、適切な配慮をおこない、
安心・安全な治療を提供できるよう努めております。
加療中または加療予定の疾患がありましたら、すぐに歯科医師に報告するようにお願い致します。