歯に加わる力
ご飯を美味しく食べたり、脳の働きを活発にさせるためによく噛むことは大切だと言われていますよね。しかし、食いしばりで歯に過度な力がかかり続けると様々なトラブルを招くことがあります。
実は歯を失う原因は、歯周病、虫歯に続いて「歯に加わる力」が第3位なのです。「歯ぎしり・食いしばり」で、歯に過度な力が加わり続けることによって、歯の根にヒビが入り、やがて折れてしまうことがあります。神経がある歯は、力がかかると少したわんで衝撃を吸収するため歯の根は折れにくいですが、神経を取り、歯の中に金属の土台を立て、差し歯にしている歯は、自分の歯に比べて金属が硬すぎるため衝撃が分散しづらく、歯の根に力が集中してしまいます。「歯ぎしり・食いしばり」により日常的に力が加わり続けた結果、歯の根が折れてしまうことがあります。
「歯の根が折れるとどうなるの?」
歯の根が折れると、歯は残すことができないため抜くことになってしまいます。また、一部の歯だけに過度な力がかかっている場合、クッションの役割をしている「歯根膜」という組織がダメージを受け、歯がグラグラしてくることもあります。
「歯ぎしりや食いしばりで現れる症状は?」
・歯にヒビが入ったり、割れたりする
・歯がすり減る
・歯が欠ける
・頬の内側や舌に歯の痕が付く
・詰め物や被せ物が取れる
・虫歯ではないのに痛い、しみる
・噛んだ時だけ痛い
などです。
「身体に出る症状としては?」
・朝起きると顎が痛い
・頭痛
・顎関節症
・肩こり
・耳鳴り
などです。
「どのようなときに歯ぎしり・食いしばりが起こるのでしょうか?」
まず、歯ぎしりは夜寝ている時、無意識のうちに行っていることが多いです。人間の噛む力は自分の体重に匹敵すると言われています。例えば体重50キロの人なら、噛む時に歯に加わる力は約50キロということになります。特に寝ている時は無意識なので、自分の体重以上の力が歯にダイレクトに加わっていると言われています。
そして、「食いしばり」は重い物を持っている時や集中している時に行っていることが多いです。
頬杖をついたり、足を組んだりして座る癖があり、左右のバランスが崩れている方や、仕事が忙しかったり、寝不足などの疲れている時にも行っていることもあります。
将来、歯を多く残すため、歯へのダメージや、身体への影響を防ぐためにも、日頃から意識をしてみたり、ナイトガードを使用するのをお勧めします。気になることがございましたらいつでもご相談くださいね。