矯正中のマウスピースのお手入れ方法|着色・臭いを防ぐためのコツ

はじめに

マウスピース矯正を始めると、毎日20時間以上マウスピースを装着して過ごすことになります。長時間口の中に入れているマウスピースは、適切にお手入れをしないと、着色や臭い、細菌の繁殖などの問題が生じます。透明で目立たないことがマウスピース矯正の大きなメリットですが、着色して黄ばんだマウスピースでは、かえって目立ってしまいます。また、不衛生なマウスピースを使い続けると、口臭の原因になったり、虫歯や歯周病のリスクを高めたりする可能性もあります。本記事では、マウスピースを清潔に保ち、着色や臭いを防ぐための正しいお手入れ方法について詳しく解説します。毎日のケアを習慣化して、快適なマウスピース矯正生活を送りましょう。

マウスピースが汚れる原因

まず、なぜマウスピースが汚れるのか、その原因を理解しておきましょう。

唾液中のタンパク質

口の中には常に唾液が分泌されており、唾液にはタンパク質が含まれています。このタンパク質がマウスピースに付着すると、白く濁ったり、ぬめりが出たりします。時間が経つと固まって取れにくくなります。

食べカスや糖分

食事の前にマウスピースを外していても、口の中に残った微細な食べカスや糖分が、再装着時にマウスピースに付着することがあります。これらは細菌の栄養源となり、繁殖を促します。

細菌の繁殖

口の中には多くの細菌が存在します。マウスピースを装着していると、温かく湿った環境が保たれるため、細菌が繁殖しやすくなります。細菌が増えると、ぬめりや臭いの原因になります。

飲食物による着色

色の濃い飲み物や食べ物を摂取した直後に、十分に口をすすがずにマウスピースを装着すると、色素が付着して着色の原因になります。コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレーなどは特に着色しやすいです。

タバコのヤニ

喫煙者の場合、タバコのヤニがマウスピースに付着し、黄ばみや臭いの原因になります。マウスピースを装着したままの喫煙は厳禁です。

基本的な毎日のお手入れ方法

マウスピースを清潔に保つための基本的なお手入れ方法をご紹介します。

外したらすぐに水ですすぐ

食事や歯磨きのためにマウスピースを外したら、すぐに水でよくすすぎましょう。唾液やタンパク質が乾いて固まる前に洗い流すことが大切です。

柔らかい歯ブラシで洗う

1日2回、朝と夜に、柔らかい歯ブラシを使ってマウスピースを洗います。歯磨き粉は使わず、水またはぬるま湯だけで優しくブラッシングします。

マウスピースの内側と外側、すべての面を丁寧に磨きましょう。特に歯が当たる部分や縁の部分は汚れが溜まりやすいため、念入りに洗います。

歯磨き粉を使わない理由

歯磨き粉には研磨剤が含まれており、マウスピースに細かい傷をつけてしまいます。傷がつくと、そこに汚れや細菌が入り込みやすくなり、着色や臭いの原因になります。また、透明度も失われて、マウスピースが白く濁って見えるようになります。

水温に注意

マウスピースは熱に弱いため、熱いお湯で洗わないでください。60度以上のお湯を使うと、マウスピースが変形してしまい、歯に合わなくなる可能性があります。常温または冷水、もしくはぬるま湯(30度程度)で洗いましょう。

洗った後はしっかり乾かす

洗った後は、清潔なタオルやティッシュで水分を拭き取り、専用ケースに入れる前に少し乾燥させます。濡れたまま密閉すると、細菌が繁殖しやすくなります。

週に1回の念入りなケア

毎日の基本的なお手入れに加えて、週に1回から2回程度、念入りなケアを行うことで、マウスピースをより清潔に保つことができます。

マウスピース専用洗浄剤を使う

市販されているマウスピース専用の洗浄剤や入れ歯洗浄剤を使用すると、細菌やタンパク質を効果的に除去できます。

使い方は、コップや容器に水またはぬるま湯を入れ、洗浄剤を溶かします。マウスピースを浸けて、製品の指示通りの時間(通常15分から30分程度)放置します。その後、水でよくすすぎ、柔らかい歯ブラシで軽くこすって汚れを落とします。

洗浄剤は週に1回から2回の使用が目安です。毎日使用すると、マウスピースの素材を傷める可能性があるため、適度な頻度で使いましょう。

超音波洗浄機を使う

自宅用の超音波洗浄機を使うと、細かい汚れまで効果的に落とすことができます。水を入れた超音波洗浄機にマウスピースを入れて、数分間作動させるだけです。

超音波洗浄機は、マウスピース専用のものや、眼鏡・アクセサリー兼用のものなど、さまざまな種類があります。頻繁に使う方は、購入を検討しても良いでしょう。

着色を防ぐためのコツ

マウスピースの着色を防ぐためには、日常生活での注意が必要です。

色の濃い飲食物を摂取した後は口をすすぐ

コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレー、ミートソースなど、色の濃い飲食物を摂取した後は、しっかりと口をすすいでからマウスピースを装着しましょう。可能であれば歯を磨くことが理想的です。

装着したまま飲食しない

水以外の飲食物を摂取する際は、必ずマウスピースを外してください。装着したままだと、食べ物や飲み物がマウスピースと歯の間に入り込み、着色や虫歯の原因になります。

禁煙する

喫煙はマウスピースの着色だけでなく、口腔内の健康全般に悪影響を及ぼします。マウスピース矯正を機に、禁煙を検討することをおすすめします。

定期的に新しいマウスピースに交換する

マウスピース矯正では、通常1週間から2週間ごとに新しいマウスピースに交換します。この定期的な交換により、着色が進む前に新しいものに替わるため、常に比較的きれいな状態を保つことができます。

臭いを防ぐためのコツ

マウスピースの臭いを防ぐためには、マウスピース自体のケアと、口腔内のケアの両方が重要です。

マウスピースを常に清潔に保つ

前述の基本的なお手入れを毎日欠かさず行うことが、臭い予防の基本です。細菌の繁殖を防ぐことが、臭いを防ぐ最も効果的な方法です。

歯をしっかり磨く

マウスピースを装着する前に、必ず歯を磨きましょう。食べカスや歯垢が残っていると、マウスピースの中で細菌が繁殖し、臭いの原因になります。

歯磨きは、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシも使用して、隙間の汚れもしっかり除去します。

舌のケアも忘れずに

舌の表面には細菌が多く付着しています。舌ブラシや歯ブラシで優しく舌を磨くことで、口臭を予防できます。

口の中を乾燥させない

口の中が乾燥すると、唾液の自浄作用が低下し、細菌が繁殖しやすくなります。こまめに水分を摂取し、口の中を潤すことが大切です。

マウスピースを保管する際は乾燥させる

マウスピースを保管する際は、濡れたまま密閉せず、軽く水分を拭き取ってから専用ケースに入れます。ケースも定期的に洗って清潔に保ちましょう。

やってはいけないお手入れ方法

誤ったお手入れ方法は、マウスピースを傷めたり、変形させたりする可能性があります。

熱いお湯で洗う

前述の通り、熱いお湯はマウスピースを変形させる原因になります。絶対に避けてください。

歯磨き粉でゴシゴシ磨く

研磨剤入りの歯磨き粉でマウスピースを磨くと、表面に細かい傷がつき、透明度が失われます。傷には汚れが溜まりやすくなり、かえって不衛生になります。

漂白剤を使う

家庭用の漂白剤や塩素系の洗剤は、マウスピースの素材を傷めるため使用しないでください。必ずマウスピース専用または入れ歯用の洗浄剤を使いましょう。

食器洗い機や食器用洗剤を使う

食器洗い機の高温や食器用洗剤の成分は、マウスピースに適していません。専用の方法でお手入れしましょう。

乾燥させずに保管する

濡れたまま密閉すると、細菌やカビが繁殖しやすくなります。必ず水分を拭き取ってから保管してください。

マウスピースの保管方法

マウスピースを外しているときの保管方法も重要です。

専用ケースに入れる

マウスピースを外したら、必ず専用ケースに入れて保管しましょう。ティッシュやナプキンに包むと、ゴミと間違えて捨ててしまうリスクがあります。

ケースも清潔に保つ

専用ケースも定期的に洗って清潔に保ちましょう。中性洗剤で洗い、よく乾燥させます。

高温の場所に置かない

夏場の車内や暖房器具の近く、直射日光が当たる場所など、高温になる場所には置かないでください。マウスピースが変形する可能性があります。

ペットの手が届かない場所に

ペットがマウスピースを噛んで遊んでしまうケースがあります。ペットがいる家庭では、手の届かない場所に保管しましょう。

まとめ

マウスピース矯正を快適に続けるためには、毎日のお手入れが欠かせません。外したらすぐに水ですすぎ、1日2回は柔らかい歯ブラシで洗いましょう。歯磨き粉は使わず、熱いお湯も避けてください。週に1回は専用洗浄剤を使った念入りなケアを行います。着色を防ぐには、色の濃い飲食物の後は口をすすぐ、装着したまま飲食しないことが重要です。臭いを防ぐには、マウスピースだけでなく、歯や舌のケアもしっかり行いましょう。正しいお手入れで透明度を保ち、清潔なマウスピースで矯正治療を成功させましょう。

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