すきっ歯はなぜできる?

はじめに

前歯の間に隙間がある「すきっ歯」は、多くの方が気にする歯並びの問題のひとつです。医学的には「空隙歯列(くうげきしれつ)」と呼ばれ、特に前歯の中央に隙間がある状態は「正中離開(せいちゅうりかい)」と呼ばれています。海外では「チャームポイント」として受け入れられることもありますが、日本ではコンプレックスに感じる方が多いようです。では、すきっ歯はなぜできるのでしょうか。この記事では、すきっ歯ができる様々な原因について詳しく解説していきます。

すきっ歯とは

すきっ歯とは、歯と歯の間に隙間がある状態を指します。隙間は前歯だけでなく、奥歯にもできることがありますが、特に目立つのは上の前歯の中央部分です。

正常な歯並びでは、歯と歯が適度に接触しながら並んでいますが、すきっ歯では何らかの理由により、この接触がなく隙間が生じています。隙間の大きさは人によって異なり、わずか1ミリ程度のものから、数ミリに及ぶ場合もあります。

すきっ歯の主な原因

顎と歯の大きさのアンバランス

すきっ歯の最も一般的な原因は、顎の大きさに対して歯が小さすぎる、あるいは顎が大きすぎることです。歯がきれいに並ぶためには、顎の大きさと歯の大きさのバランスが重要です。

顎が大きく歯が小さい場合、歯列にスペースが余ってしまい、歯と歯の間に隙間ができます。これは遺伝的な要因によることが多く、両親のどちらかから大きな顎を、もう一方から小さな歯を受け継ぐことで生じることがあります。

現代人は食生活の変化により顎が小さくなる傾向にありますが、個人差があり、中には顎が大きく発達する方もいます。そのような場合、歯の大きさが顎のスペースに対して不足し、すきっ歯となることがあります。

上唇小帯の異常

上唇小帯(じょうしんしょうたい)とは、上唇の裏側から歯茎につながっているヒダ状の組織です。通常は前歯の根元よりも上方に付着していますが、この小帯が前歯の間近くまで伸びている場合、前歯の隙間の原因となります。

上唇小帯が歯と歯の間に入り込むように存在していると、前歯同士が接触できず、正中離開が生じます。この場合、小帯を切除する手術を行うことで、矯正治療の効果を高めることができます。

特に子どもの場合、上唇小帯の付着位置が原因ですきっ歯になっていることが多いため、早期に歯科医師に相談することが重要です。成長とともに小帯の位置が上方に移動する場合もありますが、改善しない場合は処置が必要になることがあります。

歯の先天的欠如

通常、永久歯は親知らずを除いて上下合わせて28本生えてきますが、生まれつき永久歯の本数が少ない「先天性欠如」という状態があります。日本人では約10人に1人の割合で永久歯の先天欠如が見られるといわれています。

歯が欠如していると、その分のスペースが余ってしまい、周囲の歯との間に隙間ができます。特に前歯の側切歯(真ん中の歯の隣の歯)が欠如している場合、前歯部に隙間が生じやすくなります。

先天性欠如は遺伝的要因が関係していると考えられており、家族に同様の症状がある場合は、子どもにも現れる可能性があります。歯の本数に異常がある場合は、矯正治療だけでなく、補綴治療(被せ物やブリッジなど)も検討する必要があります。

歯の大きさや形の異常

歯が生まれつき小さい場合や、形が細長い場合も、すきっ歯の原因となります。矮小歯(わいしょうし)と呼ばれる通常よりも著しく小さい歯がある場合、その歯の両隣に隙間ができやすくなります。

特に上の前歯の側切歯が矮小歯であることが多く、この場合は前歯部全体に隙間が生じることがあります。矮小歯がある場合は、その歯を補綴治療で大きくするか、矯正治療で隙間を閉じるかを検討する必要があります。

舌の癖(舌突出癖)

舌で前歯を押す癖があると、その力により前歯が徐々に前方に押し出され、歯と歯の間に隙間ができることがあります。この癖は「舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)」と呼ばれ、無意識のうちに行っていることが多いため、本人も気づきにくい特徴があります。

嚥下(飲み込み)の際に舌を前歯に押し付ける癖がある場合、1日に何百回も繰り返される嚥下のたびに前歯に力がかかり、徐々に歯が動いてしまいます。また、常に舌先を前歯に当てている癖がある場合も、同様に前歯を押し出す力が働きます。

舌突出癖が原因の場合、矯正治療で隙間を閉じても、癖が改善されなければ再び隙間が開いてしまう可能性があります。そのため、舌のトレーニング(MFT:口腔筋機能療法)を並行して行うことが重要です。

歯周病による歯の移動

成人の場合、歯周病が原因ですきっ歯になることがあります。歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けて、歯がぐらついてきます。その状態で舌や唇からの圧力がかかると、歯が徐々に移動し、隙間が生じることがあります。

特に上の前歯は外側に広がるように移動しやすく、扇状に開いて隙間ができる「フレアアウト」と呼ばれる状態になることがあります。この場合は、まず歯周病の治療を行って歯茎の状態を改善してから、矯正治療を検討する必要があります。

過剰歯の存在

通常の本数よりも多く歯が存在する「過剰歯」が、歯茎の中に埋まったまま存在していることがあります。過剰歯が前歯の間にある場合、その歯が邪魔をして前歯同士が接触できず、隙間が生じます。

過剰歯は外から見えないため、レントゲン検査をして初めて発見されることが多くあります。過剰歯が原因の場合は、まず過剰歯を抜歯してから、矯正治療で隙間を閉じる必要があります。

乳歯から永久歯への生え変わり時期

子どもの場合、乳歯から永久歯への生え変わりの時期に一時的にすきっ歯になることがあります。これは「みにくいアヒルの子の時期」と呼ばれ、成長の過程で自然に改善されることが多い現象です。

永久歯の前歯は乳歯よりも大きいため、生え始めの時期には隙間ができやすくなります。その後、犬歯が生えてくると、犬歯が前歯を内側に押す力が働き、隙間が自然に閉じることが多いのです。

ただし、すべてのケースで自然に改善するわけではないため、気になる場合は歯科医師に相談し、経過観察が必要かどうか判断してもらうことが大切です。

すきっ歯を放置するリスク

すきっ歯は見た目の問題だけでなく、機能的な問題も引き起こす可能性があります。隙間に食べ物が挟まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、発音に影響が出ることもあり、特にサ行やタ行の発音がしにくくなることがあります。

さらに、前歯で食べ物を噛み切る際に効率が悪くなり、咀嚼機能が低下することもあります。これらの理由から、すきっ歯が気になる場合は、歯科医師に相談することをお勧めします。

まとめ

すきっ歯ができる原因は、顎と歯の大きさのアンバランス、上唇小帯の異常、歯の先天的欠如、歯の大きさや形の異常、舌の癖、歯周病、過剰歯の存在など、多岐にわたります。原因によって適切な治療方法も異なるため、まずは歯科医師による正確な診断を受けることが重要です。

すきっ歯は矯正治療や補綴治療によって改善することができます。気になる方は、専門医に相談して、自分に合った治療方法を見つけましょう。

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