小児の歯ぎしりは問題か?

はじめに

夜中に子どもの部屋から「ギリギリ」という音が聞こえてきて、驚いた経験がある保護者の方は多いでしょう。子どもが歯ぎしりをしていると、「歯が削れてしまうのでは」「何か病気のサインでは」と心配になるのは当然のことです。しかし、小児の歯ぎしりは、実は多くの子どもに見られる現象であり、多くの場合は成長の過程で自然に治まります。ただし、場合によっては対処が必要なこともあります。この記事では、小児の歯ぎしりについて、その原因、問題となるケース、対処法などを詳しく解説していきます。子どもの歯ぎしりに不安を感じている保護者の方は、ぜひ参考にしてください。

小児の歯ぎしりの実態

頻度

小児の歯ぎしりは、決して珍しい現象ではありません。研究によると、3歳から10歳の子どもの約30〜40パーセントが歯ぎしりを経験すると言われています。特に乳歯の時期から永久歯への生え変わりの時期に多く見られます。

歯ぎしりの種類

歯ぎしりには、大きく分けて2つのタイプがあります。

「グラインディング」は、上下の歯を横にこすり合わせる動きです。「ギリギリ」という音がするのが特徴で、一般的に「歯ぎしり」と呼ばれるのはこのタイプです。

「クレンチング」は、上下の歯を強く噛みしめる動きです。音がしないため、気づかれにくいことがあります。

小児の歯ぎしりの原因

成長に伴う生理的な現象

小児の歯ぎしりの最も一般的な原因は、成長に伴う自然な現象です。

顎の成長

子どもの顎は成長過程にあり、噛み合わせが日々変化しています。歯ぎしりは、この変化に適応するための自然な行動と考えられています。顎の骨や筋肉が発達する過程で、噛み合わせの位置を調整しているのです。

歯の生え変わり

乳歯から永久歯への生え変わりの時期は、特に歯ぎしりが多くなります。新しく生えてきた歯に違和感があったり、噛み合わせが一時的に不安定になったりすることで、歯ぎしりが起こります。

乳歯が抜け始める6歳頃から、永久歯が生え揃う12歳頃まで、歯ぎしりが続くことがあります。

ストレスや心理的要因

子どもも大人と同様に、ストレスを感じることがあります。

環境の変化(引っ越し、転園、転校など)、家族関係の問題、友人関係のトラブル、学業のプレッシャーなどが、歯ぎしりの原因となることがあります。

また、日中に興奮することがあった日や、緊張する出来事があった日の夜に、歯ぎしりが起こりやすいという報告もあります。

睡眠の質

睡眠が浅いときや、睡眠のリズムが乱れているときに、歯ぎしりが起こりやすくなります。

睡眠時無呼吸症候群、いびき、鼻詰まりなどにより、睡眠の質が低下している場合も、歯ぎしりのリスクが高まります。

噛み合わせの問題

噛み合わせが著しく悪い場合、体が無意識にそれを調整しようとして、歯ぎしりが起こることがあります。

受け口、出っ歯、開咬(前歯が噛み合わない)などの噛み合わせの異常がある場合は、歯科医師に相談しましょう。

その他の要因

遺伝的な要因も指摘されています。両親が歯ぎしりをしていた場合、子どもも歯ぎしりをする可能性が高いという報告があります。

また、アレルギー性鼻炎や扁桃腺の腫れなど、呼吸に関する問題が歯ぎしりと関連している可能性も示唆されています。

小児の歯ぎしりが問題となるケース

多くの場合、小児の歯ぎしりは成長とともに自然に治まり、特に問題はありません。しかし、以下のような症状がある場合は、注意が必要です。

歯の異常な摩耗

乳歯は永久歯より柔らかく、摩耗しやすい性質があります。しかし、通常の歯ぎしりでは、極端な摩耗は起こりません。

歯が平らになるほど削れている、歯の内部の象牙質が露出している、などの場合は、歯科医師の診察が必要です。

痛みや不快感

歯ぎしりにより、以下のような症状が現れている場合は、対処が必要です。

  • 朝起きたときに顎が痛い
  • 歯が痛い、しみる
  • 頭痛がする
  • 顔の筋肉が疲れている

顎関節症の症状

口を開けたときに「カクカク」と音がする、口が大きく開かない、顎が痛いなどの症状がある場合は、顎関節症の可能性があります。

睡眠の質の低下

歯ぎしりにより睡眠が妨げられ、日中の眠気、集中力の低下、イライラなどが見られる場合は、対処が必要です。

家族の睡眠への影響

歯ぎしりの音が大きく、家族の睡眠を妨げている場合も、対策を検討する必要があります。

歯科医院を受診すべきタイミング

以下のような場合は、歯科医院を受診することをお勧めします。

  • 歯の摩耗が著しい
  • 痛みや不快感がある
  • 顎関節の症状がある
  • 睡眠の質が低下している
  • 保護者が心配で不安が強い

歯科医師は、口腔内の状態を詳しく診察し、歯ぎしりの程度や原因を評価します。必要に応じて、対処法を提案します。

小児の歯ぎしりへの対処法

経過観察

多くの場合、小児の歯ぎしりは成長とともに自然に治まるため、特別な治療は必要ありません。定期的な歯科検診で経過を観察しながら、様子を見ることが推奨されます。

生活習慣の改善

規則正しい睡眠

十分な睡眠時間を確保し、毎日同じ時間に寝起きする習慣をつけることで、睡眠の質が向上し、歯ぎしりが改善されることがあります。

リラックスできる環境

就寝前のリラックスタイムを設け、読み聞かせ、静かな音楽、軽いストレッチなどを取り入れると良いでしょう。

スマートフォンやタブレット、ゲームなどの画面を見る時間は、就寝の1時間前までにしましょう。ブルーライトが睡眠の質を低下させる可能性があります。

ストレスの軽減

子どもが日常生活でストレスを感じている場合は、その原因を探り、解決に向けて支援しましょう。

子どもとのコミュニケーションを大切にし、悩みや不安を聞く時間を作ることも重要です。

鼻呼吸の促進

口呼吸は、睡眠の質を低下させ、歯ぎしりのリスクを高めます。鼻詰まりがある場合は、耳鼻咽喉科で治療を受けましょう。

口呼吸の癖がある場合は、日中から意識的に鼻呼吸をするよう促します。

マウスピース(ナイトガード)

歯の摩耗が著しい場合や、痛みがある場合は、マウスピースの使用を検討します。

ただし、小児の場合、顎が成長過程にあるため、マウスピースの使用は慎重に判断されます。永久歯が生え揃ってから使用することが一般的です。

矯正治療

噛み合わせの異常が原因で歯ぎしりが起こっている場合は、矯正治療により改善できることがあります。

ただし、矯正治療が必要かどうかは、歯並びや噛み合わせの状態を総合的に評価して判断します。

保護者ができること

観察と記録

いつ、どのくらいの頻度で歯ぎしりをしているか、どんな音がするか、日中の様子はどうかなどを記録しておくと、歯科医師の診察時に役立ちます。

過度な心配をしない

多くの場合、小児の歯ぎしりは問題ありません。過度に心配したり、子どもに「歯ぎしりをやめなさい」と注意したりすることは、かえってストレスになり、逆効果です。

定期検診の受診

3〜6ヶ月に一度の定期検診を受け、歯の状態を専門家にチェックしてもらいましょう。

全身の健康に気を配る

バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠など、子どもの全身の健康に気を配ることが、歯ぎしりの予防にもつながります。

成長とともに変化する

小児の歯ぎしりの多くは、思春期頃には自然に消失します。乳歯から永久歯への生え変わりが完了し、顎の成長が落ち着くと、歯ぎしりも減少する傾向があります。

ただし、一部の子どもでは、成人後も歯ぎしりが続くことがあります。その場合は、改めて原因を評価し、適切な対処を行います。

まとめ

小児の歯ぎしりは、多くの子どもに見られる現象であり、ほとんどの場合は成長に伴う生理的なものです。顎の成長、歯の生え変わりに伴う自然な反応であり、特別な治療は必要ないことが多いです。

ただし、歯の異常な摩耗、痛み、顎関節症の症状、睡眠の質の低下などが見られる場合は、歯科医院を受診し、適切な対処を行う必要があります。

保護者としては、過度に心配せず、規則正しい生活習慣、ストレスの軽減、定期検診の受診などを心がけることが大切です。子どもの成長を温かく見守りながら、必要に応じて専門家のサポートを受けましょう。

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