唾液のはたらき
こんにちは。
本日は「唾液」についてお話しします。
実は唾液はとても大きな働きをしているのです。
噛むことは口の周りの筋肉を使う運動です。
噛むことで耳の下、顎の下、舌の下にある唾液腺が刺激され、唾液の分泌量が増えます。
しかし、高齢になると水分を控えがちになったり、薬を多く服用した副作用から、
唾液の分泌量が減るといわれています。
パンやサツマイモなど、パサつくものが食べにくいと感じることはありませんか。
食べ物を噛むときに口の中の唾液が少ないと、食べ物がまとまりにくく、
噛み砕いたものを飲み込みやすい状態にまとめることができません。
食べ物の味わいにも影響します。
まとまっていないパサパサしたものは食べづらく、
誤って気管に入ってしまうと窒息の原因になることもあります。
以下、唾液のはたらきをまとめました。
①食べ物を飲み込みやすくする
食物は唾液と混ざり合うことによって喉の奥に運ばれて飲み込みやすい状態になります。
②食べ物の消化を助ける
唾液は食物を体内で吸収しやすい状態にしてくれる最初の消化液です。
③細菌や有害物質の活動を抑えてくれます
唾液の成分が持つ抗菌作用で、細菌の増殖を抑えたり有害物質が体内に侵入するのを抑制します。
④皮膚や粘膜の活性化につながります
唾液には「パチロン」という成長ホルモンが含まれていて、
筋肉・内臓・骨・歯 などの発育を盛んにしてくれます。また、傷の修復や新陳代謝亢進の効果もあります。
⑤虫歯や歯周病を防ぐ
口内を潤して乾燥を防ぐことで、常在する虫歯や歯周病の原因菌の増殖を抑えます。
⑥美味しさを感じさせてくれます
食物と唾液が絡まり合うことで消化酵素が働き、食材の旨味を引き出すことにつながります。
「唾液の効果を高めるためには、よく噛むこと」がポイントです!
「1口30回噛む」を目安にぜひ実践してみてください。
また、食事中にお茶や水を飲むのを少し控えてみてください。
これは、噛む回数が少ないと飲み込みにくいため、
お茶や水で流し込むくせがついてしまう人がいるからです。
唾液腺は出さないと分泌量をセーブして出にくくなってしまいます。
食事中はよく噛んで、唾液の力で飲み込む訓練をしましょう。
実はとても働き者の唾液。日頃から口の状態に関心を持ち、
おいしく食べられるうるおいのある口を保っていきましょう。
緊張すると口が渇くように、唾液の分泌量はストレスによっても影響されます。
日々ゆったりした気持ちで過ごせるよう、心身両面からのケアをお忘れなく。
「ドライマウスにご注意!」
唾液の分泌量が減り、さまざまな症状を引き起こすドライマウス(口腔乾燥症)をご存知でしょうか。
唾液が出にくく口が渇く、口内炎や口角炎になりやすい、食べ物が飲み込みにくい、会話がしづらい、
口臭がする、などの症状がみられます。
唾液の分泌量が減る原因としては、
・疾患(パーキンソン病、シェーグレン症候群、エイズ、糖尿病など)
・生活習慣や環境(ストレス、口呼吸、不十分な口腔ケア、乾燥した室内など)
・加齢に伴う機能低下(女性の場合更年期障害以降に見られがち)
・薬の副作用(抗うつ病薬、血圧降下剤、他)
などが考えられます。
気になる場合は診察を受け、疾患が原因の場合は適切な治療を受けるようにしましょう。
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